【2025年最新】障害年金制度の変更点〜受給者に与える影響と対策〜 - 川崎障害年金申請代行センター

監修：池田 清（社会保険労務士 / 行政書士）

公開日：2025/07/23 （最終更新日：2025/07/23）

はじめに

2025年は障害年金制度にとって大きな転換点となっています。40年ぶりの制度改正検討が進む中、年金額の改定やデジタル化の推進など、受給者の皆様の生活に直結する重要な変更が実施されています。

こんな不安をお持ちではありませんか？

「今回の改正で私の年金はどうなるのだろう」
「手続きが変わると聞いたけれど、何をすればいいの」

本記事では、2025年の障害年金制度変更点について、受給者への具体的な影響と必要な対策を詳しく解説します。

2025年障害年金制度改正の概要と背景

改正の全体像

2025年における障害年金制度の変更は、単なる例年の調整ではなく、制度の根本的な見直しを含む大幅な改正となっています。

40年ぶりの大規模改正検討

厚生労働省は、1985年以来となる40年ぶりの障害年金制度の大規模な見直しを検討しています。

改正検討の背景

• 現行制度での「初診日」による受給要件の厳しさ
• 本来支援が必要な方々の受給困難
• 会社員として長年厚生年金に加入していても、退職後の初診で障害厚生年金を受給できないケース

改正の主な目的

目的	内容
障害厚生年金の受給資格拡大	より多くの方が受給できる制度へ
制度の公平性向上	初診日にによる不平等の解消
手続きの簡素化とデジタル化推進	利便性の向上
受給者の生活安定とセーフティネット強化	より確実な支援体制の構築

法案の予定

2025年の国会提出を目標としており、実現すれば多くの受給者にとって大きなメリットをもたらすことが期待されています。

年金額改定：1.9％引き上げの詳細とその影響

2025年度の具体的な年金額

障害基礎年金の2025年度支給額：

等級	年額	月額（目安）	前年度からの増額
1級	1,039,625円	約86,635円	年間約19,000円
2級	831,700円	約69,308円	年間約15,000円

子の加算額：

• 1人目・2人目：年額239,300円
• 3人目以降：年額79,800円

障害年金生活者支援給付金の改定

等級	月額
1級	6,813円
2級	5,450円

重要

この給付金は、前年の所得が一定額以下の方が対象となり、障害年金とは別途申請が必要です。

増額による生活への影響

プラス面

• 実質的な購買力の維持
• 生活費の一部補完

注意点

• エネルギー費用や食料品価格の上昇を完全にカバーするものではない
• 家計管理の見直しも重要

障害厚生年金の受給要件緩和検討の重要性

制度改正の注目ポイント

2025年の改正検討の中で最も注目されているのが、障害厚生年金の受給要件緩和です。

対象者

この改正は現在の受給者には直接的な影響はありませんが、今後の新規受給者にとって大きな変化をもたらす可能性があります。

現行制度の課題

現在の障害年金制度では、「初診日」に厚生年金に加入していることが障害厚生年金受給の必須条件となっています。

生じている不公平

検討されている改正内容

改正案の2つの方向性

改正案	内容
延長保護の導入	被保険者資格喪失後の一定期間内に初診日があれば、障害厚生年金の給付対象とする
長期要件の設定	厚生年金保険料の納付済期間が一定以上あれば、被保険者資格喪失後でも給付対象とする

改正の影響範囲

デジタル化の進展と手続きの簡素化

デジタル化の進展状況

2025年は障害年金手続きのデジタル化が本格的に進展する年です。

国家資格のオンライン化の影響

2024年8月から開始された国家資格のオンライン・デジタル化の流れが、障害年金の手続きにも影響を与えています。

社会保険労務士の対応

• マイナポータルを通じた各種申請が可能
• 手続きの効率化が進行

オンライン申請の導入予定

以下の手続きについて、オンライン化が検討・実施されています：

• 住所・氏名変更の届出
• 現況確認書類の提出
• 一部の診断書類の電子提出

24時間対応

従来の郵送や窓口での手続きに加えて、24時間いつでも手続きが可能になることが期待されています。

デジタル化のメリットと注意点

メリット

• 手続きの迅速化
• 書類の紛失リスク軽減
• 交通費や郵送費の削減
• いつでも手続き可能

注意点

• マイナンバーカードの電子証明書の有効期限確認が必要
• 操作方法の習得が必要
• インターネット環境の整備が前提

配慮事項

高齢の受給者や障害の特性上インターネット利用が困難な方については、従来の手続き方法も継続して利用可能となる予定です。

現在の受給者が知っておくべき3つの重要な変更

1.年金額改定による通知の確認

年金額改定通知書の確認

4月から適用される1.9％の年金額改定について、日本年金機構から送付される「年金額改定通知書」を必ず確認してください。

通知書の記載内容

• 改定後の年金額
• 適用開始月
• 次回支払予定額

送付時期

この通知書は、6月の年金支払い前に送付される予定です。記載内容に疑問がある場合は、速やかに年金事務所に確認することをおすすめします。

2.障害年金生活者支援給付金の申請確認

別途申請が必要

障害年金生活者支援給付金は、障害年金とは別途申請が必要です。

対象となる可能性がある方

• 障害基礎年金1級・2級を受給している方
• 前年の所得が一定額以下の方
• 現在給付金を受給していない方

確認方法

2025年度の給付金を受給していない方は、所得要件を満たしている可能性があるため、年金事務所で確認を受けることをおすすめします。

3.更新手続きのデジタル化対応

オンライン手続きの導入

障害年金の更新手続きの一部がデジタル化される予定です。

オンライン化される予定の手続き

• 現況確認
• 簡単な書類提出

従来どおりの手続き

• 診断書の提出
• 重要な変更手続き

重要

更新時期が近づいた際は年金事務所で最新の手続き方法を確認することが重要です。

新規申請者・更新予定者への具体的影響

新規申請者への影響

2025年中に新規で障害年金を申請する方は、以下の変更の恩恵を受けることができます：

メリット

• 改定された年金額での支給開始
• 一部手続きのオンライン化による申請の簡素化
• 専門家によるサポート体制の充実

注意点

要件緩和について

障害厚生年金の受給要件緩和については、法案成立後の適用となるため、現時点では従来の要件で審査が行われます。

更新予定者が確認すべきポイント

2025年中に障害年金の更新手続きを予定している方は、以下の点を確認してください：

チェック項目

• 更新手続きの一部オンライン化の活用可能性
• 診断書作成時の最新様式の使用
• 障害状態の変化がある場合の適切な記載

等級見直しへの対応

• 状態改善の場合：正直に報告
• 状態悪化の場合：額改定請求の検討

申請書類の準備における注意点

事前確認事項

• 最新の情報を年金事務所や専門家に確認
• 適切な書類の準備
• デジタル化対応書類の技術的要件確認

電子提出の準備

• ファイル形式の確認
• 容量制限の確認
• 技術的要件の事前確認

改正に備えた受給者のチェックリスト

基本情報の確認項目

年金額改定通知書の内容を確認している

障害年金生活者支援給付金の受給資格を確認している

マイナンバーカードの有効期限を確認している

年金事務所の最新の連絡先を把握している

現在の障害の状態を正確に把握している

デジタル化対応の準備項目

マイナポータルのアカウント設定を完了している

マイナンバーカードの電子証明書が有効である

インターネット環境が整備されている

オンライン手続きの操作方法を理解している

従来の手続き方法も併せて確認している

更新・変更手続きの準備項目

次回更新時期を正確に把握している

障害状態の変化を記録している

主治医との連携体制を確認している

必要書類の準備スケジュールを立てている

専門家への相談タイミングを検討している

経済面の確認項目

年金額改定による家計への影響を確認している

他の社会保障制度との関係を把握している

税制上の取扱いに変更がないか確認している

将来の収支計画を見直している

緊急時の対応策を準備している

活用方法

このチェックリストを活用して、制度改正に適切に対応し、安心して障害年金を受給できる環境を整えましょう。

専門家に相談すべきタイミングと支援体制

専門家相談が必要なタイミング

以下のような状況では、迷わず専門家のサポートを受けることをおすすめします：

相談すべき状況

• 年金額改定通知書の内容に疑問がある場合
• 障害年金生活者支援給付金の受給可能性について確認したい場合
• デジタル化に対応した手続き方法がわからない場合
• 障害の状態に変化があり、等級変更を検討している場合
• 将来の制度改正による影響を詳しく知りたい場合

利用可能な支援体制

1.社会保険労務士による専門相談

2.年金事務所での相談

3.障害者支援団体のサポート

4.自治体の相談窓口

相談時の準備

専門家に相談する際は、以下の書類を準備しておくとスムーズです：

必要書類

• 年金証書のコピー
• 最新の年金額改定通知書
• 障害者手帳（お持ちの場合）
• 直近の診断書（更新時期の場合）
• 質問事項をまとめたメモ

効果的な相談のコツ

準備のポイント

• 事前に質問内容を整理
• 現在の状況を正確に伝える
• 理解できない点は遠慮なく確認

重要

制度改正の内容は複雑なため、理解できない点があれば遠慮なく確認することをおすすめします。

まとめ：2025年改正を機会とする障害年金戦略の見直し

改正の要点整理

今回の改正で押さえておくべき重要なポイント：

主要な変更点

• 1.年金額の改定により、実質的な受給額が増加
• 2.デジタル化により手続きの利便性が向上
• 3.障害厚生年金の受給要件緩和が検討中
• 4.現在の受給者も制度変更の影響を正しく理解し、適切な対応が重要

今後の対応指針

制度改正を機会として、以下の対応を検討することをおすすめします：

対応策

• 年金受給状況の定期的な確認と見直し
• デジタル化に対応した手続き環境の整備
• 障害状態の変化に応じた適切な届出
• 専門家との連携による長期的な受給計画の策定

最終メッセージ

制度を味方につける

障害年金は、障害のある方の生活を支える重要な制度です。2025年の改正を正しく理解し、適切に活用することで、より安定した生活基盤を築くことができます。

お困りの際は

制度改正に関してご不明な点や個別のご相談がございましたら、障害年金の専門家である当センターにお気軽にお問い合わせください。

変化する制度を味方につけ、安心できる年金生活の実現をお手伝いいたします。