大切な方を失った悲しみの中で手続きについて考えることは、とても大変なことです。
しかし、障害年金受給者が亡くなった場合、遺族の方々が適切な支援を受けるためには、いくつかの重要な手続きが必要となります。
本記事では、必要な手続きを分かりやすく解説し、遺族の方々をサポートいたします。
まず最初に行うべき手続き
障害年金受給者が亡くなった場合、まず以下の手続きを行う必要があります。
死亡の届出
死亡後14日以内に市区町村の窓口に死亡届を提出します。この際、死亡診断書または死体検案書が必要です。
なお、個人番号(マイナンバー)が日本年金機構に登録されている場合、年金の死亡届は原則として省略できます。
年金事務所への届出
「年金受給権者死亡届」を提出します。これは、年金の過払いを防ぎ、未支給年金の請求を円滑に進めるために重要な手続きです。提出が遅れると、過払い分の返還が必要となる場合があります。
未支給年金の請求
未支給年金とは、亡くなった方に支給されるべきであった年金のことです。以下の点に注意して請求手続きを進めましょう。
請求できる方
未支給年金を請求できるのは、亡くなった方と生計を同じくしていた遺族です。
請求権者の順位は以下の通りです。
- 配偶者
- 子
- 父母
- 孫
- 祖父母
- 兄弟姉妹
- その他の三親等内の親族
「生計を同じくしていた」とは、必ずしも同居している必要はなく、生活費の援助など経済的な繋がりがあれば該当します。
請求に必要な書類
未支給年金を請求する際には、以下の書類が必要です。
- 未支給年金請求書
- 亡くなった方の年金証書
- 戸籍謄本(亡くなった方と請求者の続柄を証明するもの)
- 請求者の世帯全員の住民票
- 請求者の預金通帳の写し
- 請求者の身分証明書の写し
請求期限
未支給年金の請求には5年の時効があります。できるだけ早めに手続きを行うことをお勧めします。
遺族年金について
障害年金受給者が亡くなった場合、状況によって遺族年金を受給できる可能性があります。
遺族基礎年金
国民年金に加入していた方が亡くなった場合、以下の条件を満たす遺族に支給されます。
- – 18歳未満の子(18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子)を扶養している配偶者
- – 18歳未満の子
- – 20歳未満で1級または2級の障害の状態にある子
遺族厚生年金
厚生年金保険に加入していた方が亡くなった場合、一定の条件を満たす遺族に支給されます。
特別な状況への対応
請求中に亡くなった場合
障害年金の請求中に請求者が亡くなった場合、遺族は「障害認定日請求」を行うことができます。ただし、「事後重症請求」は死亡後には行えません。
海外在住者の場合
海外在住の遺族も未支給年金を請求することができます。ただし、必要書類や手続き方法が異なる場合があるため、在外公館に確認することをお勧めします。
相談窓口の活用
手続きについて不明な点がある場合は、以下の窓口で相談することができます。
年金事務所
障害年金全般に関する相談
市区町村の国民年金窓口
障害基礎年金に関する相談
街角の年金相談センター
一般的な相談
手続き後の注意点
受給金の管理
未支給年金や遺族年金が支給された場合、金額や支給日を記録として残しておくことをお勧めします。
書類の保管
手続きに使用した書類は、コピーを取って保管しておきましょう。将来の手続きで必要になる場合があります。
まとめ
障害年金受給者が亡くなった場合の手続きは、以下の順序で進めることが重要です。
- 死亡届の提出(14日以内)
- 年金受給権者死亡届の提出
- 未支給年金の請求
- 必要に応じて遺族年金の請求
手続きは決して簡単ではありませんが、一つずつ確実に進めることが大切です。不明な点がある場合は、必ず専門家や窓口に相談しましょう。
このような時期だからこそ、周囲のサポートを受けながら、必要な手続きを進めていくことをお勧めします。