障害年金と他の給付金との併給調整完全ガイド
傷病手当金・労災保険との調整ルールと実務手続き

はじめに

障害年金を受給している方、またはこれから申請を考えている方から、「傷病手当金と同時に受け取れるのか」「労災保険と障害年金はどうなるのか」といった質問を数多くいただきます。病気やけがで働けなくなった時、複数の給付金を受け取れる可能性がある一方で、併給調整という制度により、両方を満額受け取れないケースがあることをご存知でしょうか。

併給調整とは、同じ理由や目的で複数の給付金が支給される場合に、給付額を調整する仕組みです。これは、社会保障制度全体の公平性を保ち、二重給付を防ぐために設けられています。しかし、このルールは複雑で、どの給付金がどのように調整されるのか、理解するのは容易ではありません。

「せっかく受給資格があるのに、調整で減額されてしまった」「知らずに申請して、後から返還を求められた」といった事態を避けるためには、併給調整の仕組みを正しく理解しておくことが重要です。

この記事では、社会保険労務士の監修のもと、障害年金と他の給付金(特に傷病手当金、労災保険)との併給調整について、具体的な計算方法、実務手続き、注意点まで詳しく解説します。これから申請する方も、すでに受給中の方も、ぜひ参考にしてください。

併給調整とは?基本的な考え方を理解する

併給調整が必要な理由

併給調整とは、複数の社会保障給付を同時に受給する場合に、給付額を調整する仕組みのことです。なぜこのような調整が必要なのでしょうか。

二重給付の防止

同じ病気やけがを理由に、複数の制度から満額の給付を受けると、実際の損失や必要な保障を大きく上回る給付となってしまいます。これは社会保障制度の趣旨に反するため、適切な調整が行われます。

制度の公平性確保

限られた財源の中で、本当に支援が必要な方に適切な給付を行うため、過度な給付を防ぐ必要があります。

所得保障の適正化

働けない期間の生活を保障することが目的であり、働いている時以上の収入になることを防ぐという考え方があります。

これは例えるなら、同じ損害に対して複数の保険金を満額受け取れないのと似ています。実際の損失を補償することが目的であり、利益を得るためのものではないということです。

併給調整の基本原則

併給調整には、いくつかの基本原則があります。

同一事由による給付

同じ病気やけがを原因とする給付同士が調整の対象となります。異なる理由による給付は、原則として調整されません。

優先順位の存在

複数の給付金がある場合、どちらを優先して支給するかが決まっています。一般的には、労災保険→障害年金→傷病手当金の順で優先されます。

調整方法の違い

給付金の組み合わせによって、調整方法が異なります。全額支給停止となる場合、差額のみ支給される場合、両方が減額される場合などがあります。

主な併給調整のパターン

障害年金との併給調整が問題となる主なパターンは以下の通りです。

  1. 障害年金と傷病手当金(健康保険)
  2. 障害年金と労災保険の給付
  3. 障害年金と雇用保険の給付
  4. 障害年金と他の年金(遺族年金、老齢年金など)
  5. 障害年金と児童扶養手当

本記事では、特に問い合わせの多い「傷病手当金」と「労災保険」との併給調整に焦点を当てて解説します。

障害年金と傷病手当金の併給調整

傷病手当金とは

傷病手当金は、健康保険の被保険者が業務外の病気やけがで働けなくなった場合に支給される給付金です。まず、傷病手当金の基本を理解しておきましょう。

支給要件

傷病手当金が支給されるには、以下の4つの要件を満たす必要があります。

1. 業務外の病気やけがによる療養であること
2. 療養のため労務に服することができないこと
3. 連続する3日間の待機期間を経過していること
4. 休業した期間について給与の支払いがないこと

支給期間

支給開始日から通算して1年6ヶ月間が支給期間となります(2022年1月の改正により、暦日ではなく通算に変更されました)。

支給額

支給開始日以前12ヶ月間の標準報酬月額の平均額を30で割った額の3分の2に相当する額が、1日あたりの支給額となります。

併給調整の具体的なルール

障害年金と傷病手当金を同時に受給できる場合がありますが、その際には以下のような調整が行われます。

調整の原則

障害年金と傷病手当金が同一の傷病を原因として支給される場合、傷病手当金の額が調整されます。具体的には、障害年金が優先して支給され、傷病手当金は以下のように調整されます。

調整の計算方法

1. 障害年金の日額を計算する(年額÷360日)
2. 傷病手当金の日額と比較する
3. 傷病手当金の日額が障害年金の日額を上回る場合、その差額のみが支給される
4. 障害年金の日額が傷病手当金の日額以上の場合、傷病手当金は支給されない

具体的な計算例

実際の数字で計算してみましょう。

例1:傷病手当金が上回るケース

障害年金(2級):年額約100万円 → 日額約2,778円
傷病手当金:日額5,000円

この場合、傷病手当金として支給されるのは: 5,000円 – 2,778円 = 2,222円(差額のみ支給)

例2:障害年金が上回るケース

障害年金(1級):年額約125万円 → 日額約3,472円
傷病手当金:日額3,000円

この場合、傷病手当金は支給されません(障害年金のみ受給)

実務上の注意点

申請の順序

傷病手当金を先に受給していた場合、後から障害年金が支給決定されると、遡って調整が行われます。この場合、傷病手当金の過払い分を返還する必要が生じることがあります。

異なる傷病の場合

傷病手当金の対象となった病気と、障害年金の原因となった病気が異なる場合は、併給調整の対象とはなりません。それぞれ独立して支給されます。

支給期間の違い

傷病手当金は最長1年6ヶ月(通算)ですが、障害年金は障害が続く限り支給されます。傷病手当金の支給期間が終了した後も、障害年金は継続して受給できます。

健康保険組合・協会けんぽへの報告

障害年金の受給が決定したら、速やかに健康保険組合・協会けんぽに報告する必要があります。報告が遅れると、過払いが発生し、後で返還を求められることがあります。

障害年金と労災保険の併給調整

労災保険の給付とは

労災保険は、業務上または通勤途中の災害による傷病、障害、死亡に対して支給される保険給付です。障害年金との関係を理解するため、まず労災保険の基本を押さえましょう。

労災保険の種類

労災保険には、以下のような給付があります。

療養(補償)等給付:治療費の給付
休業(補償)等給付:休業中の所得保障
障害(補償)等給付:障害が残った場合の給付
遺族(補償)等給付:死亡した場合の遺族への給付

このうち、障害年金との併給調整が問題となるのは、主に「障害(補償)等給付」と「休業(補償)等給付」です。

障害(補償)等給付の等級

労災保険の障害等級は1級から14級まであり、障害の程度に応じて以下のように支給されます。

1級~7級:障害(補償)年金(年金形式)
8級~14級:障害(補償)一時金(一時金形式)

障害年金と労災保険の併給の原則

障害年金と労災保険は、併給が可能です。ただし、調整が行われ、どちらかが減額されます。

調整の基本ルール

同一の事由により、障害厚生年金(または障害基礎年金)と労災保険の障害(補償)年金を受給する場合、労災保険の給付額が調整されます。障害年金は満額支給され、労災保険が減額されるという形です。

調整率

労災保険の減額率は、併給される年金の組み合わせによって決まっています。

障害厚生年金と障害(補償)年金の併給:
労災保険が0.73~0.88の範囲で調整
障害基礎年金のみと障害(補償)年金の併給:労災保険が0.73~0.88の範囲で調整

具体的な調整率は、受給する年金の種類や障害の等級によって異なります。

具体的な調整の例

例:障害厚生年金2級と労災保険の障害補償年金5級を併給する場合

障害厚生年金:年額150万円(満額支給)
労災保険の障害補償年金:年額200万円
調整率:0.83

この場合、労災保険は以下のように調整されます: 200万円 × 0.83 = 166万円(調整後の労災給付)

合計受給額:150万円 + 166万円 = 316万円

このように、両方を合算した額は、それぞれを満額受給した場合の合計(350万円)より少なくなりますが、どちらか一方のみを受給するよりは多くなります。

休業(補償)給付との関係

労災保険の休業(補償)給付と障害年金を同時に受給する場合も、調整が行われます。

休業(補償)給付とは

業務上または通勤途中の災害による傷病の療養のため労働できない期間、賃金を受けられない場合に支給されます。給付額は、給付基礎日額の60%(休業特別支給金として20%が別途支給されるため、実質80%)です。

障害年金との調整

休業(補償)給付を受給中に障害年金が支給決定された場合、休業(補償)給付の日額相当額が休業(補償)給付から差し引かれます。

実務上の重要ポイント

労働基準監督署への報告

障害年金の受給が決定したら、速やかに所轄の労働基準監督署に報告する必要があります。

遡及支給の場合の調整

障害年金が遡及して支給された場合、過去に受給した労災保険の給付についても調整が行われます。場合によっては、過払い分の返還が必要になることがあります。

調整の計算は自動的に行われる

併給調整の計算は、年金事務所と労働基準監督署の間で情報共有が行われ、自動的に調整されます。受給者が自分で計算する必要はありませんが、通知内容を確認することは重要です。

その他の給付金との併給調整

障害年金と雇用保険の給付

雇用保険の失業給付(基本手当)と障害年金の併給については、以下のようなルールがあります。

原則

障害年金を受給していても、雇用保険の求職者給付(失業手当)を受けることは可能です。ただし、「働く意思と能力がある」ことが失業手当の受給要件であるため、障害の程度によっては受給が認められない場合があります。

障害年金と遺族年金の併給

障害年金と遺族年金を受給する権利がある場合、65歳未満の場合、どちらか一方を選択することになります。

65歳以上の場合、以下の3つのパターンから選択できます。

1. 障害基礎年金 + 遺族厚生年金
2. 遺族基礎年金 + 遺族厚生年金
3. 障害基礎年金 + 障害厚生年金

どの組み合わせが最も有利かは、それぞれの年金額によって異なります。年金事務所で試算してもらい、最も有利な組み合わせを選択しましょう。

障害年金と老齢年金の併給

65歳以上の方が障害年金と老齢年金の両方の受給資格がある場合、以下のような選択が可能です。

選択のパターン

65歳以上の場合、以下の組み合わせから選択できます。

1. 障害基礎年金 + 老齢厚生年金
2. 老齢基礎年金 + 老齢厚生年金
3. 障害基礎年金 + 障害厚生年金

選択のポイント

どの組み合わせが有利かは、それぞれの年金額、加入期間、障害の等級などによって異なります。年金事務所で詳しい試算を受けることをお勧めします。

障害年金と児童扶養手当の併給

ひとり親家庭で障害年金を受給している場合、児童扶養手当との調整が問題となります。

2021年3月からの改正

それまで障害年金を受給すると児童扶養手当が全額支給停止となっていましたが、2021年3月以降、障害年金の子の加算額が児童扶養手当額を下回る場合、その差額を児童扶養手当として受給できるようになりました。

具体例

障害年金の子の加算額:年額約23.9万円
児童扶養手当(1人目):年額約55万円

この場合、差額の約31.1万円が児童扶養手当として支給されます。

手続き

この差額支給を受けるには、市区町村の児童扶養手当担当窓口で申請が必要です。自動的には適用されないため、忘れずに申請しましょう。

特定の状況における注意点

20歳前傷病による障害基礎年金の場合

20歳前に初診日がある傷病による障害基礎年金には、特別なルールがあります。

所得制限

20歳前障害による障害基礎年金には、本人の所得による支給制限があります。所得が約376万円を超えると2分の1の支給停止、約479万円を超えると全額支給停止となります。

併給調整との関係

この所得には、他の給付金(労災保険の年金など)は含まれませんが、給与所得や事業所得は含まれます。複数の給付を受ける場合、総収入が所得制限に影響する可能性があるため、注意が必要です。

障害の程度が変わった場合

障害の程度が変わり、障害年金の等級が変更された場合、併給調整の内容も変わります。

等級が上がった場合

障害年金の額が増えるため、傷病手当金や労災保険との調整額も変わります。必要に応じて、各機関に報告し、調整額を再計算してもらう必要があります。

等級が下がった場合、または支給停止となった場合

障害年金の額が減る、または支給停止となった場合、他の給付金の調整も変わります。傷病手当金の支給が再開される可能性もあるため、健康保険組合・協会けんぽに確認しましょう。

障害年金が遡及支給された場合

障害年金の申請が遅れ、遡及して支給が決定された場合、過去に受給した他の給付金との調整が必要になります。

傷病手当金との調整

遡及期間に傷病手当金を受給していた場合、その期間について再計算が行われます。傷病手当金の過払い分がある場合は、健康保険組合・協会けんぽから返還を求められます。

労災保険との調整

遡及期間に労災保険の給付を受けていた場合も、調整が行われます。労災保険の減額分が計算され、過払い分がある場合は返還が必要になることがあります。

返還方法

過払い分の返還は、一括返還が原則ですが、金額が大きい場合は分割返還が認められることもあります。各機関に相談しましょう。

実務的な手続きのポイント

申請時に確認すべきこと

併給調整が関係する場合、申請時に以下の点を確認することが重要です。

1. 他の給付金の受給状況

現在、他にどのような給付金を受給しているか、または受給予定かを明確にします。傷病手当金、労災保険、雇用保険、児童扶養手当など、すべての給付金をリストアップしましょう。

2. 傷病の関連性

障害年金の原因となった傷病と、他の給付金の原因となった傷病が同一かどうかを確認します。初診日、診断名、症状の経過などを整理しておきましょう。

3. 各機関への報告義務

障害年金の受給が決定したら、どこに報告する必要があるかを確認します。健康保険組合・協会けんぽ、労働基準監督署、市区町村の福祉課など、報告先を把握しておきましょう。

必要書類の準備

併給調整の手続きには、通常の障害年金申請書類に加えて、以下のような書類が必要になることがあります。

傷病手当金との併給の場合

傷病手当金の支給決定通知書のコピー
傷病手当金の支給期間を証明する書類

労災保険との併給の場合

労災保険の給付決定通知書のコピー
労災認定に関する書類
労災保険の等級決定通知書

その他の給付金との併給の場合

各給付金の受給証明書
支給額がわかる書類

これらの書類は、年金事務所や各機関から求められた場合に提出します。事前に準備しておくと、手続きがスムーズに進みます。

支給額の確認方法

併給調整後の支給額は、それぞれの機関から通知されます。

通知書の確認ポイント

調整前の金額(本来の支給額)
調整額(減額される金額)
調整後の支給額(実際に受け取る金額)
調整の理由と根拠

これらの通知書は重要な書類ですので、必ず保管しておきましょう。内容に疑問がある場合は、速やかに各機関に問い合わせることが重要です。

よくあるトラブルと対処法

トラブル1:報告を忘れて過払いが発生

対処法:速やかに各機関に連絡し、返還方法を相談する。分割返還が認められる場合もあります。

トラブル2:調整額の計算が間違っている

対処法:通知書を確認し、疑問点を各機関に問い合わせる。必要に応じて再計算を依頼する。

トラブル3:どの給付金を選択すればよいか分からない

対処法:年金事務所で試算を依頼する。社会保険労務士などの専門家に相談する。

制度変更への対応

社会保障制度は定期的に見直しが行われ、併給調整のルールも変更される可能性があります。

近年の主な制度改正

2021年3月:児童扶養手当との併給改正

障害年金の子の加算額と児童扶養手当の差額支給が可能になりました。ひとり親家庭の障害年金受給者にとって、大きな改善となりました。

2022年1月:傷病手当金の支給期間変更

傷病手当金の支給期間が、暦日で1年6ヶ月から、通算して1年6ヶ月に変更されました。途中で復職し、再び休業した場合でも、通算で1年6ヶ月まで受給できるようになりました。

2022年4月:在職老齢年金の見直し

65歳以上の在職老齢年金の支給停止基準が緩和されました。障害年金との併給選択にも影響する可能性があります。

最新情報の入手方法

制度変更の情報は、以下の方法で入手できます。

日本年金機構のウェブサイト

制度改正の情報が随時更新されます。「お知らせ」や「制度改正」のページをチェックしましょう。

年金事務所からの通知

受給者には、制度変更に関する通知が郵送されることがあります。必ず確認しましょう。

社会保険労務士の情報

社労士は制度改正の情報をいち早く把握しています。定期的に相談することで、最新情報を得られます。

制度変更時の対応

1. 変更内容の確認

制度がどのように変わったのか、自分の受給にどのような影響があるのかを確認します。

2. 手続きの必要性

制度変更により、新たな手続きが必要になる場合があります。申請が必要か、自動的に適用されるかを確認しましょう。

3. 有利な選択

制度変更により、より有利な給付方法が選択できる場合があります。年金事務所で試算を依頼し、最適な選択をしましょう。

相談窓口の活用

併給調整に関する疑問や不明点がある場合は、以下の窓口で相談することができます。

年金事務所

障害年金全般に関する相談窓口です。

相談できる内容

障害年金の受給資格
併給調整のルールと計算方法
他の給付金との調整に関する質問
制度変更に関する情報

予約方法

混雑を避けるため、事前予約をお勧めします。電話またはインターネットで予約可能です。

持参するもの

年金手帳または基礎年金番号通知書
障害年金の支給決定通知書
他の給付金の通知書
本人確認書類

労働基準監督署

労災保険に関する相談窓口です。

相談できる内容

労災認定に関する質問
労災保険の給付内容
障害年金との併給調整
休業補償給付との関係

所在地

勤務先の所在地を管轄する労働基準監督署が窓口となります。

健康保険組合・協会けんぽ

傷病手当金に関する相談窓口です。

相談できる内容

傷病手当金の受給資格
支給額の計算方法
障害年金との併給調整
返還が必要な場合の手続き

連絡先

加入している健康保険組合、または協会けんぽの都道府県支部に問い合わせます。

市区町村の福祉課

児童扶養手当など、市区町村が所管する給付金に関する相談窓口です。

相談できる内容

児童扶養手当との併給
差額支給の申請方法
所得制限に関する質問

街角の年金相談センター

全国社会保険労務士会連合会が運営する相談窓口です。

特徴

社会保険労務士が対応
より専門的なアドバイスが受けられる
予約不要で相談できる場合もある(センターにより異なる)

ねんきんダイヤル

電話で年金に関する相談ができます。

電話番号

0570-05-1165(ナビダイヤル) 050で始まる電話からは:03-6700-1165

受付時間

月曜日:午前8時30分~午後7時
火~金曜日:午前8時30分~午後5時15分
第2土曜日:午前9時30分~午後4時

社会保険労務士への相談

複雑なケースや、専門的なアドバイスが必要な場合は、社会保険労務士に相談することをお勧めします。

社労士に依頼できること

併給調整の詳細な計算
最も有利な給付の組み合わせの検討
各機関への手続き代行
トラブル発生時の対応

費用

相談料は社労士事務所によって異なりますが、初回相談無料の事務所も多くあります。

よくある質問(FAQ)

  • 障害年金と傷病手当金を同時に申請できますか?

    はい、申請自体は可能です。ただし、両方の受給資格がある場合でも、併給調整により、傷病手当金は減額または支給停止となります。障害年金の日額相当額を上回る部分のみ、傷病手当金として支給されます。

  • 労災保険と障害年金はどちらが優先されますか?

    障害年金が満額支給され、労災保険の方が調整(減額)されます。ただし、両方を合算して受け取ることができるため、どちらか一方のみを受給するより有利です。

  • 障害年金の受給を健康保険組合に報告しなかったらどうなりますか?

    傷病手当金の過払いが発生し、後で返還を求められます。報告義務は受給者にあるため、速やかに報告することが重要です。

  • 併給調整の計算は自分でする必要がありますか?

    いいえ、各機関が自動的に計算し、調整後の金額を通知してくれます。ただし、通知内容を確認し、疑問があれば問い合わせることは重要です。

  • 障害年金が遡及支給された場合、過去の傷病手当金は返還が必要ですか?

    遡及期間について再計算が行われ、傷病手当金の過払い分がある場合は返還が必要になります。健康保険組合・協会けんぽから通知が届きますので、指示に従ってください。

  • 障害年金と失業給付は両方もらえますか?

    障害年金と失業保険(雇用保険の基本手当)は、重複して受給可能です 。

  • 障害年金の等級が変わったら、併給調整も変わりますか?

    はい、変わります。等級変更により障害年金の額が変わると、併給調整の内容も変わります。各機関に報告し、再計算してもらう必要があります。

まとめ:併給調整を正しく理解して適切な給付を受けるために

障害年金と他の給付金の併給調整は、複雑な制度ですが、正しく理解することで、適切な給付を受けることができます。

押さえるべき重要ポイント

1. 併給調整の基本を理解する

同一事由による給付同士が調整の対象
調整方法は給付金の組み合わせによって異なる
優先順位があり、どちらを優先するかが決まっている

2. 傷病手当金との調整

障害年金が優先、傷病手当金は差額のみ支給
障害年金の日額相当額と比較して計算
健康保険組合・協会けんぽへの報告が重要

3. 労災保険との調整

両方の併給が可能だが、労災保険が減額される
調整率は年金の組み合わせにより異なる
労働基準監督署への報告が必要

4. 手続きのポイント

他の給付金の受給状況を明確にする
必要な報告を速やかに行う
通知内容を必ず確認する
疑問点は各機関に問い合わせる

5. 制度変更への対応

最新情報を定期的にチェックする
制度変更により有利な選択肢が増えることもある
必要に応じて手続きを行う

6. 専門家の活用

複雑なケースは社会保険労務士に相談
年金事務所で試算を依頼する
各窓口を積極的に活用する

最後に

併給調整の制度は、二重給付を防ぎつつ、必要な方に適切な保障を提供するための仕組みです。複雑に感じるかもしれませんが、基本的なルールを理解し、適切な手続きを行えば、確実に権利を守ることができます。

不明な点がある場合は、一人で悩まず、年金事務所や専門家に相談することをお勧めします。特に、複数の給付金を受給する可能性がある場合は、事前に相談し、最も有利な方法を選択することが重要です。

また、定期的に自身の受給状況を確認し、障害の程度や生活状況の変化があった場合は、速やかに各機関に報告しましょう。適切な報告と手続きにより、安心して給付を受けることができます。

この記事が、障害年金と他の給付金との併給調整について理解を深め、適切な給付を受けるための一助となれば幸いです。

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この記事の監修者について

池田 清(社会保険労務士) 障害年金の申請サポート実績12年以上。併給調整の複雑なケースにも精通し、多くの方の適切な給付受給をサポートしてきました。

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